マイペンライでゴー
第16号

宮脇正治
Kei
柏原 誠

増田達也

夏実

21世紀に突入しました。
いや〜世紀をまたいで生きてますぜ、ダンナ。てな感慨もなく淡々と日常は流れていくのである。
そうえば、早くも2月になってしまってたわけで・・・・いやはやナントモ・・・・
遅ればせながら21世紀も「マイペンライ de Go!」をよろしくお願いします。


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『夕焼けイノキスト・宮脇まさはるのプロレス郷愁の風景』
時代は求める、イノキの続きを・・・の巻  

▼宮脇正治

 さあ新世紀第一弾は、やはり猪木祭り。「ミレニアムファイティングアーツ・ イノキ・ボンバイエ」(12・31大阪ドーム)だ。
 世紀末に何かデッカイことを、と猪木が、ジャンルや団体の枠を越え選りすぐりの26選手を、大晦日の大阪に集結させた。ここはあえて全選手を紹介する。総合格闘技系からはヘンゾ・グレイシー、バス・ルッテン、マー ク・コールマン、マーク・ケアー、ドン・フライ、小川直也、ケン・シャムロック、 小路晃、宇野薫、ゲーリー・グッドリッジ、リコ・ロドリゲス、ジャスティン・ マッコーリー。 プロレスからは桜庭和志、ケンドー・カシン、橋本真也、 藤原喜明、武藤敬司、高田延彦、佐野なおき、松井大二郎、ザ・グレート・ サスケ、アレクサンダー大塚、永田裕志、飯塚高史、安田忠夫、そして アントニオ猪木。
 まさに猪木以外では成し得ないマニア垂涎のこの顔ぶれで、全員がプロレスルールで闘ったわけである。 プロレスラーVS総合格闘技系選手というカード中心の全9試合、どれも見応え満点。普段はガチガチのセメントファイトが売りの総・格系選手が、意外なプロレス・センスの良さを見せ、嬉しくなってしまった。特にグッドリッジ、 コールマンは、プロレス力も一流だな、と思った。柔術の小路や宇野に至っては、いかにも気持ち良さそうに宙を舞っていた!
 一方プロレスラー達は、今までなら総・格系選手とやる場合は、必ず総・ 格ルールだったのが、今回は勝手が違った。総格選手が、一日だけのプロレスラーとなって挑んでくる。彼らのプロレスの理解度という部分で、リードすべきプロレスラーの方が、やり辛かったと思う。しかしそんな中でも、安田の怪物的迫力と見事な負けっぷりは、光っていた(小川戦)。
 そしてメインでは、久々にレスラーとして動いている猪木の姿が。エキシビションの相手は、ヘンゾ・グレイシー! 猪木が“グレイシー一族”と闘う歴史的3分間を、コブラツイストで締めくくった猪木は、ファン、選手ら108人(希望者先着順)をリングに上げ、20世紀の煩悩を払う108発の闘魂ビンタ。最後はもちろんカウントダウン、お待ちかねの3・2・1・ダアー!!で、感動的に劇的に、21世紀を迎えたのであった。

 さて、大成功を収めた今回の猪木の試行、ファイトスタイル的にも新しいものを提示した。初の試みゆえ、各試合の完成度は高いとは言えなかったが、プロレスと総・格、または他種格闘技が融合し、新たな何かが生まれる・・ 21世紀、プロレスは変ってゆくな、という確信を得た。
 では一体、プロレスに総・格(他種格)がミックスされ、どうなっていくのか?
 総・格(他種格)とプロレスとの間には、日常的なものと非日常的なものとの違いがある。総・格(他種格)は、もちろん勝つことが全てだ。最終的には何かが表現されるわけだが、それは結果的産物で、他のスポーツと同様、日常の次元の延長線上と言える。
 だがプロレスは、意図的に何かを表現しようとする。その表現力こそ、最重要なのだ。とはいえ、勝つことも、前提としてある。そうした理念に根ざした闘いの有り様は、一般のスポーツに比して、かなり非日常的である。
 プロレスは、現実の格闘では在り難い、意外性や驚きを伴うワザや動き、 美しい型のやりとりを、趣き深く見せるアドリブの世界。対戦者同士の相当な実力による信頼関係がないと、成り立たない。だからプロレスは、難しい。 しかし、対戦者同士に高度な調和が生まれた瞬間、日常的格闘技では 味わえない類の感慨が残る。
 それを今回、プロレス初体験の総・格系選手たちは、多少のぎこちなさは あったものの、やってのけたのだ。そして、できるとわかった以上、それが面白いとわかった以上、早急にこういう流れが強まってゆくだろう。
 そうなると、試合の評し方もこんな風かも。「プロレスの○○と柔術の△△ が、総・格ルールで闘って、△△が勝った。しかし、プロレスルールで闘えば、 ○○が強かった。でも△△のメッセージもしっかり届いてきた」とか、「プロレス の××なら、他種格闘技の誰とやっても、毎回違った色の感動を表現できる」 とか。実は、その××の最たる人物が、かつての格闘技世界一路線を勝ち 続けたアントニオ猪木、なのだ。
 今思えばあの一連の闘いは、試合内容において、猪木が他種格闘家たちをプロレスの世界へ引きずり込んだのか、猪木自身が総合格闘技のライン に立って、プロレスを表現したのか・・・。 多分その両方だろうが、世紀が 明けてやっと焦点化しそうな、プロレスと総・格のミックスの味を、既に25年も前から猪木は味わっていたということを考えると、やはり猪木は稀代のプロレスラーだったのだ。
 猪木祭りのように、プロレスラーと他の格闘家とがプロレスルールで闘う スタイルは、まもなく定着するだろう。だが、プロレスラーは、プロレスルールでも総・格ルールでも、プロレス表現力を充分に発揮しながら勝ってほしい。
そしてそれができるのは、猪木以降では今のところ、“闘うおもちゃ箱”とか “世界が恐れるIQレスラー”と呼ばれる桜庭和志だけだろう。
 しかし、ごく近い将来、猪木や桜庭に続くプロレスラーが、きっと出てくる はずだ。それもゴロゴロと。何故なら、猪木の時と違い、時代がそれを求め ているからである。

 

【宮脇正治 みやわきまさはる】1960年、大阪生まれ。佛教大学では放送局 設立準備会とプロレス研究会に所属。現在、プロスタイルレスリングJWA関西 事務局スタッフ。  どんな時でも、夕焼けを見てはイノキを想い、イノキを想って はわが人生に闘いのゴングを打ち鳴らすという、根っからのイノキストである。


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『中年ロッカーの逆襲』

▼Kei  

 ニューイヤーライブが終わった。1年半ぶりのライブにしてはまずまずの出来で、バンドをやっていて初めて「感動しました。」というリアクションをいただいた。しかも3人 から。大変気をよくしている。

大体、GAOSS(学生時代にやっていたバンド)でも今やっているBitter Tasteでも、そんなに当り障りのない歌詞やメロディーではなく、一般受けとは程遠い。そこがアマチュアバンドの役得とでも言うか、自分の思いに正直に曲つくりをして、自分たちがやりやすいようにアレンジする。そんな自己満足の世界でやっているのは確かだ。
  それでも、時々人に聴いてもらいたくなる。矛盾かもしれないが、何かを表現すると言うことはもともと、そんな傲慢なものかもしれない。早くバンドのホームページを 開いてリアクションを見たいものだ。だから、「感動しました」なんて言葉はお世辞でもうれしかったし、特に親しい友人でもない人がわざわざ言いに来てくれたところを見ると、正直な反応だったと思っておこう。ほめられた子どもと同じ心境なのだ。

メンバーたちもライブをこなすたびに意識が高くなる。いい調子だ。
これをお読みの皆さん。Bitter Tasteのライブにぜひお越しを!!


【Kei:本名 坂本桂】ブリティッシュ・ロックの大御所「THE WHO」デビューの1964年に生まれる。高校時代「SMO 」/「ストーン・ギャザーズ・ノー・モス」というストーンズ、ピストルズ、フーなどのコピーバンドのVo.を経験後、1982年に「GAOSS」を結成。オリジナル曲を中心に京都の「拾得」「磔々」大阪「エッグプラント」等で演奏活動を行うが1987年に解散。その後10年のブランクを経てBitter・Tasteを結成。


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『Fomura1〜大地を翔ける秒速の戦士たち〜』

▼柏原 誠


 21世紀に入り、今年のF1界はどうなるのかぁっ?・・・なんて一人で盛り上がって いる私だが、ついに今年のレーススケジュールが発表になったのでお知らせしよう。

( )は開催地
第1戦 3/4  オーストラリアGP(メルボルン)
第2戦 3/18 マレーシアGP(クアラルンプール)
第3戦 4/1  ブラジルGP(サンパウロ)
第4戦 4/15 サンマリノGP(イモラ)
第5戦 4/29 スペインGP(バルセロナ)
第6戦 5/13 オーストリアGP(ツェルトベグ)
第7戦 5/27 モナコGP(モンテカルロ)
第8戦 6/10 カナダGP(モントリオール)
第9戦 6/24 ヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)
第10戦 7/1  フランスGP(マニ・クール)
第11戦 7/15 イギリスGP(シルバーストン)
第12戦 7/29 ドイツGP(ホッケンハイム)
第13戦 8/19 ハンガリーGP(ブダペスト)
第14戦 9/2  ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
第15戦 9/16 イタリアGP(モンツァ)
第16戦 9/30 アメリカGP(インディアナポリス)
第17戦 10/14 日本GP(鈴鹿)

とまぁ、全17戦で争われるのだが、レギュレーションについては2000年とあまり変化が無いようだ。 但し今まで疑惑のデバイスと言われていた、「トラクションコントロール」が全面解禁 になったらしい。というのも、今までトップチームでは公然とこのデバイスが使われて いたフシがあったらしく、レースの総元締であるFIA(国際自動車連盟)も、その技術の摘発がままならぬほど巧妙な造りになっていたらしい。つまり「コソコソせんと、許可したるさかい堂々とやりはなれ」てな具合だろうか。トラクションコントロールという のは、言えば「スリップ防止装置」。つまりスタート時の空転を少なくしたり、もっと高級なものでは左右の回転差を検知してエンジンを制御し、スピンを防止するなんていうのもある。市販車にも導入されているテクノロジーだが、94年あたりからF1では技術の過当競争を防ぐ意味で禁止したデバイスである。

そしてもうひとつは、昨年はワンメイクだったタイヤがミシュランの参入によって2メーカー体制となったことである。これでタイヤ競争という面でも昨年より面白くなる かも知れない。
最後にもうひとつ。今年はホンダが2チームにエンジン供給をする。 ジョーダンとBARである。ジョーダンは前は「無限ホンダ」を使っていた(無限の社長 はホンダの創始者の息子)から一環してホンダだが、開発力という面ではやはり メーカーのホンダが有利だろう。
そしてそのBARのテストドライバーとしてヨーロッパF3GPで活躍している佐藤琢磨がテストドライバーとして加入した。これはもちろん将来のF1デビューに向けての 布石だと言えるが、今はCARTに転進した高木虎之助がスポンサーのバックアップ で1年目からレギュラーシートの座を獲得した事を考えると、開発ドライバーとして1年間みっちりとマシンに触れるという面では、レギュラーシート獲得時点での活躍が期待できるのではないだろうか。

昨年はフェラーリvsマクラーレン対決の図式が成り立っていた"トップ2"の時代だった。 今年はカムバック2年目のホンダ、BMWあたりがトップに絡んでくると面白い展開になるだろう。ウィリアムズのR・シューマッハーも噂ではニイチャンより早いと言われる程のテクニックだ。ホンダはジョーダンと共に2チーム体制だし、勝てる要素はマシンの熟成しだいというところか。フェラーリはザウバーに続いてプロストGPにも1年落ちのエンジンを供給することになった。つまりワークス1、セミワークス2という3チーム体制である。こうなると孤高のマクラーレンがどれぐらい王道プロレス・・じゃなかった 安定したレースができるかがチャンプ奪回への道ではなかろうか。 私のチャンプ予想は・・・・と言いたいところだが、この時点では01年式のマシンがほとんどないのでなんとも予想のしようがない。せめて開幕直前までお待ち願いたい ところだ。では、開幕直前号まで、乞うご期待・・・・。


【柏原   誠:かしはらまこと】1963年2月生まれ。赤井英和・和泉 修を輩出した浪速高校を卒業、佛教大学で放送局に所属する。卒業後12年間のサラリーマン生活を経て独立、87年に設立したグループ、ノクターン・クラブを復活。和泉 修の誘いでテレビ番組の構成作家とうめだ花月シアターでの舞台演出を手伝う。


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『2001 CINEMA ODYSSEY』

▼増田達也


 今回は現在公開中&春先に公開予定の映画をざっと紹介したい。 昨年暮れから2001年の現在に至るまで、しばらく劇場に足を運べない状態が続いているので、そんな気持ちをこめてLine Upを・・・・。

『BROTHER』 監督:北野武 出演:ビートたけし、オマーエプス、真木蔵人、石橋凌、渡哲也
『リトル・ダンサー』 監督:スティーブン・ダルトリー 出演:ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ
『ペイ・フォワード〜可能の王国〜』 監督:ミミ・レダー 出演:ケビン・スペイシー、ヘレン・ハント、ハーレイ・ジョエル ・オスメント
『アンブレイカブル』 監督:M・ナイト・シャラマン 出演:ブルース・ウィルス、サミュエル・L・ジャクソン
『ギャラクシー・クエスト』 監督:ディーン・パリソット 出演:ティム・アレン、シガニ―・ウィーバー
『DEAD OR ALIVE2〜逃亡者〜』 監督:三池崇史 出演:竹内力、哀川翔、大杉漣、魔裟斗
『殺し』 監督:小林政広 出演:石橋凌、大塚寧々、緒方拳、光石研
『クリムゾン・リバー』 監督:マチュー・カソビッツ 出演:ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル
『アヴァロン』 監督:押井守 出演:マウゴジャータ・フォレムニャック、ヴァディスワフ・コヴァルスキ
他にも 相米慎二監督の『風花』『キング・イズ・アライブ』、 ウッディ・アレンの『ギター弾きの恋』 、ガイ・リッチー監督で主演ブラッド・ピットの『スナッチ』

もちろん他にもいっぱい作品が上映されるが、個人的に見てもいいかなと思えるのはこんなところだろう。
(多分たくさんもれてると思うけど・・・) 果たして何本観られるのだろう。せいぜい1〜2本がいいところかもしれない ・・・・・。 やっぱり時間は作らんとダメやね。無理から時間を作らんと、気付いた時には上映終了となってるからなあ〜。 この前久々に映画(レンタル)を観た。デヴィッド・リンチの『ストレイト・ストーリー』だ。 これがなかなか良かった。リンチの映画とは思えない作りだが、これはこれでいい のではないだろうか。ちょっと忙しく働いている同世代の連中に見て欲しいと思った。 「たまにはこんな映画もいいぜ。」と。

追記:知人で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を3回も観たやつがいるそうだが、そんなにイイのだろうか?


【増田達也:ますだ たつや】1964年10月生まれ。佛教大学時代は放送局に所属。イラスト・グラフィックデザイナーとして活躍し、99年独立。ノクターン・クラブのコア・メンバーとして主にWebサイトのデザインを担当する。音楽・映画に詳しく、作品に対してイーヴンな評価を与えられるアーティスト。後述の「画面ライダー」の作画担当。


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『風流茶譚』
〜お気に入りのカフェはマスターとともに…〜

▼夏実


 暖冬…というお気に入りの気象予報士の言葉にすっかり騙された気分で一杯のここ 1week。
インテリジェンスな喋り方が結構好きで(私はオトコの声や喋り方に相当ヨ ワイ。)信じていたのに…。
 そう…今日も泣きたいくらいに空気が冷えきっている。耳がちぎれてしまいそうな 程の北風がビュンビュンうなっている。私は思わずフェイクファーの帽子を深くかぶり直し、コートのベルトをビシッと結び、『ヨシッ!』の気合いとともに吹きすさぶ グレーに凍り付いた街中に飛び出した。
 こう寒いと何だかとびきり美味しいお茶が飲みたくなる。それも自分で入れるのではなく、優しい人が入れてくれたモノを飲みたい…目指せ!うるわしのティータイム ! カウベルの大きな音が店内に響く。
マスターの笑顔がふんわり漂っているような…いつもの雰囲気。
『よ、今日は何にする?』
 相変わらずのイイお声。反射的に肩に入っていた力が溶けていく感覚が、心地よく 広がって行く。私は、瞬時に曇った眼鏡をはずしながら言った。
『マスターなら何飲む?』
『ううむ、そう来たか。…と言うことは、今日は僕のスペシャルブレンドだけではノ ーサンキューってことだよね。』
『イエ〜ス!』
 帽子とコートを隣の椅子に置いて、私もカウンターに腰を降ろす。ここは夜になると本格ティールームからバーに変身する。何だか自分自身を見ているようで親近感が 妙に湧く。仕事が終わった後はやっぱ、お茶よりアルコールを身体が欲求するから。 何だか1日に最低2度はここに来てしまう。 『coffee or tea?』
 私は思わず親指の先を軽く噛んで考えた。マスターはお気に召すまま…という顔で ニコニコしている。
『う〜ん…。あったかいのがいいなあ。』  私は大きく息を吸い込んでゆっくりと吐いた。
 マスターはふと気付いたように囁くような声で私にきいた。
『仕事は?』
『…今日はもうおしまいにした。』
『おしまいするにはちょっと時間早いんじゃない?』
『う〜ん、何か煮詰まっちゃって。』
『個展、間に合うの?』
『う〜、きかないで。』
 個展と言っても小さな規模だ。ここから程近いアート・スペースでやる。
 思わずカウンターに突っ伏した。私はアーティストだけれど、最近ジュエリーデザ インもしていて、それが意外と好評でハッキリ言ってそれで食べていると言っても過 言じゃない感じになって来ている。今度の個展では是非ジュエリーも展示して頂きた いという主催者側の強い要望もあって急きょ新作をかなりの数つくらなければならな くなったのはいいけれど…。

 ん〜何だかオレンジのイイ香り…。
『…こんなのはどうかな。』
 顔をあげるとそこには…ホイップされた生クリームの上に細く刻んだオレンジの皮 をのせてある、まるでデザートのような飲み物が湯気を立てていた。 細い足のついた器は繊細で、自分の今の疲れた気分に心地よい感触だった。
『グラン・カフェ・マニエ…オレンジ・リキュールを入れたコーヒーなんだけど、お 姫様のお口に合いますかどうか。』
 一口、二口…じんわりとその温度がゆっくりと身体中に広がっていく。まるで身も 心もほどけていく感じだった。時間の流れがイイ方向に静かに向きを変えて流れ出し たかのような感覚。それともそれは錯覚? 何だか涙が出そうになった。 『最高…!』
『天気予報以外はね。』マスターが少し恥ずかしそうにそう言って笑った。


【夏実:なつみ】2001年、ryu_mama♪のHNでサイト『Ryu's Cafe』を開設。 現在、1男の母。

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■編集後記

21世紀を感じるヒマもなく忙しく動き回る今日この頃。気がつけば今年の冬はあまり鍋を
していなことに気付いた。寒い冬には鍋をつつくというのもいいもんだな〜と唾をためながら
考える私であった。

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編集:柏原  誠
    増田達也

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2004年1月10日 更新